NEAT(ニート)を増やそう!

糖尿病と新型コロナウィルス:NEAT(ニート)を増やそう!

 

 

コロナ禍の影響でSTAY HOMEを余儀なくされている方が多いと

 

思います。感染に対する不安や収束が見通せない閉塞感のため

 

精神的にもダメージを受けがちです。家の中に長時間居ると運動量

 

あるいは活動度が低下して消費カロリーが減少し、動かないと筋肉量

 

が減り、脂肪が蓄積します。実際、クリニックの外来では、体重が増え

 

て血糖値も上昇している糖尿病の患者さんをよく見かけます。

 

エネルギー消費(減量)のための運動には、体力の維持や向上

 

のために行うスポーツなどの“運動”や活、日常生活における労働や

 

買い物・家事、通勤・通学などの“日頃の活動”がありますが、

 

最近はこの両者が低下しています。

 

ニート(NEAT)という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?

 

これはNon-Exercise Activity Thermogenesisの頭文字で、

 

非運動性熱産生、すなわち日常の生活活動で消費される

 

エネルギーのことを指します。肥満の人とそうでない人の生活スタイル

 

を比べた研究によると、肥満の人はそうでない人に比べて立位による

 

活動時間が1日で約150分も少ないことが報告されています。

 

つまり、毎日じっと座って過ごしていると脂肪が蓄積して肥満に

 

なりやすいということです。NEATを上げる、すなわち、比較的

 

少ないエネルギー消費(例えば、家や庭の掃除、洗濯、買い物、

 

階段の昇り降り、整理整頓、立ちながらの仕事のようなチョコチョコ

 

運動)を続けていけば山となり意外と大きなエネルギーを消費すること

 

ができます。注意点としては、運動・活動が増えるとかえって食欲が

 

増加し逆効果になることもあるので運動と食事両方を押さえるように

 

しましょう。

 

 

 

監修:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

 

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