クスリを使わずに血糖を下げる方法
クスリを使わずに血糖を下げる方法(糖尿病における食事のとり方)
糖尿病の治療において、まず食事に気をつけましょう!と言われます。
これを聞いただけで憂うつになる方がいるかもしれません。血糖
コントロールが悪い場合、何かを変えなければ今までの食事のとりかた
では血糖値はさらに高くなり、糖尿病の合併症も進行してしまいます。
それでは実際どのようにすればよいのでしょうか?
まずシンプルに、食べる量とバランスについて考えてみましょう。
量については、まず少し減らしてみることです。腹八分目といい
ますが、満腹になる少し前でストップしてみましょう。ひもじく
感じるなら、次に何を食べるかあれこれ考えるようにすると気が
紛れるかもしれません。1回に食べる白米の量は、体格にもより
ますが普通のお茶碗に軽く一杯程度を目安にしてください。食後
血糖が高いと動脈硬化や認知症になりやすいことがわかっています、
血糖の上昇はほぼ糖質によって決まりますので、糖分の多い主食
(炭水化物:白米、パン、麺類等)が多いとどうしても血糖値は
上がってしまいます。白米よりも玄米の方が血糖の上昇は少ない
ので玄米を白米に混ぜてもいいかもしれません。他に食後血糖の
上昇を防ぐ方法としては、食べる順序を意識することです。
食べ始めに野菜、キノコ類、海草をとること、大豆類も最初に
食べると効果があると報告されています。他の栄養素である
タンパク質や脂質については食べても血糖値はそれほど上がりません
が、糖質の代わりに肉類などを多くとってしまうとコレステロール
が上昇する可能性があり動脈硬化のリスクを高めてしまいますので
量とバランスを考えて食事することが重要です。
いきなり食事のとり方を変更するのも大変かもしれませんので
徐々に行ってみてください。
監修:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員
1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部 博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。