糖尿病における食事療法と運動療法の落とし穴

糖尿病における食事療法と運動療法の落とし穴

 

 

糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です、と耳に胼胝ができるぐらい聞かれて

 

いるかと思いますが、食事療法か運動療法のいずれかを行うということではなく、両者

 

を同時に行うことで糖尿病治療(血糖コントロールや肥満に対する減量)においてさらに

 

大きな効果が期待できます。糖尿病の合併症が進行している場合、運動療法が制限される

 

ことがありますので一度主治医に確認してください。食事療法のみでも血糖値は下がり

 

ますが、運動ができていないと筋肉量が減少して活動性が落ち、将来的に健康寿命が

 

短くなる可能性があります。一方、運動療法のみを行って食事療法をしない場合、

 

例えば、日頃ジムに行って有酸素運動とレジスタンス運動をきっちり行っているが

 

食事は食欲に任せている場合・・・かえって体重が増え血糖値が上昇することが

 

あります。これは、運動をすると食欲が亢進し、ジムに行って運動している安心感

 

から摂食量が無意識のうちに増加してしまうことが原因であると考えられます。

 

また、糖尿病の食事療法をきっちり遵守しているのに血糖値が上昇するので詳しくお話

 

を聞くと、制限した分あるいはそれ以上を間食で補っていた例もあります。糖尿病に

 

おける食事と運動・・・今一度見直してみましょう!

 

 

 

監修:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

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