糖尿病と果糖について

糖尿病と果糖について

 

 

果糖は“果物の糖”と書きますが、実際果物に多く含まれている糖分(単糖類)

 

です。果糖にはさわやかな強い甘味があるためお菓子や清涼飲料水に多く

 

加えられています。同じ単糖類のブドウ糖は直説的に血糖値を上げてしまい

 

ますが、果糖は体に吸収された後、肝臓に運ばれて代謝されるため、果糖の

 

摂取は血糖値の上昇にあまり影響を与えません。ところが、過剰な摂取は肝臓

 

での糖新生を促したり肝臓内で中性脂肪に変換され、脂肪肝や肥満、中性脂肪

 

高値の原因になります。また果糖の取りすぎは血中の尿酸値の上昇につながり

 

ます。“果糖はあまり血糖が上がらないから安心”といってたくさん取っている

 

と中性脂肪が上昇し、脂肪肝や肥満を引き起こして血糖値が上昇する可能性が

 

あります。糖尿病の食事療法において、お菓子や清涼飲料水の摂取は控えて

 

適量の果物を取ることが勧められています。果物にはビタミン、ミネラル、

 

繊維分、抗酸化物質を含有し栄養価が高く、がん、老化、動脈硬化の予防効果

 

も期待されるため1日に自分のこぶし大の量(目安としてりんご半分、バナナ

 

1本)は取るようにしましょう。

 

 

 

監修:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

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