糖尿病を治療せずに放っておくとどうなる? 糖尿病合併症について

糖尿病の合併症には高血糖が持続して起こる慢性合併症、および高度のインスリン作用不足によって起こる急性合併症がありQOL(生活の質)や生命予後を悪化させます。そのため糖尿病の治療の目的はこれらの合併症の発症を予防あるいは進行を阻止することにあります。急性合併症については、糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖状態があり、両者とも高度なインスリン作用不足により急性代謝失調を引き起こし、意識障害をきたして昏睡状態になることもあります。感染症も急性合併症の一つで尿路感染症や皮膚感染症などがあり、足の皮膚感染症は糖尿病性壊疽の原因になります。

高血糖が長期間持続すると全身の血管に組織の変性、機能障害が出現し、合併症が全身のさまざまな臓器に出現する可能性があります。これらの障害は小さい血管からダメージを受けることが多く特に細小血管が多く存在する網膜、腎臓、神経に出現しやすい傾向があります。さらに、大血管が障害を受ける深刻な合併症として狭心症・心筋梗塞のような冠動脈疾患、脳梗塞のような脳血管障害、糖尿病性壊疽の原因となる末梢動脈疾患があります。いずれもQOLや生命予後を増悪させるため早期からの治療の開始が必要となります。

 

著者:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

 

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