糖尿病を治療せずに放っておくとどうなる? その他の糖尿病合併症について

その他の糖尿病合併症

 

骨病変

1型糖尿病では骨密度は低下するが、2型糖尿病でむしろ上昇する。1型、2型糖尿病ともに骨折リスクの増加を認め、持続的な血糖の上昇は骨折リスクを上昇させる。チアゾリジン薬は特に高齢女性の骨折リスクを増加させることが知られている。

 

歯周病

血糖コントロールの不良は歯周病を重症化させ、また歯周病が重症であるほど血糖コントロールが増悪する。歯周病の治療で歯周組織の炎症が改善すると、インスリン抵抗性が軽減し血糖コントロールも改善ことが報告されている。歯周病は、心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化性疾患や感染性心内膜炎、呼吸器疾患などの誘因となる可能性が指摘されている。

 

認知症

糖尿病患者ではアルツハイマー型認知症が1.5倍、脳血管性認知症が2.5倍多くなっている。重症低血糖や食後高血糖は認知症発症のリスクを上げることが報告されている。軽度の認知機能障害では、実行機能、情報処理能力、注意力、言語記憶、視覚記憶が障害されていることが多い。高齢者糖尿病の治療においては家族によるサポートのみならず、医師、薬剤師、看護師の訪問サービス等を利用し、内服薬管理やインスリン注射をできるようにすることが重要である。

 

がん

がんは日本での糖尿病患者の死因第一位で、肺がん、肝がん、膵がんの順に比率が高く、糖尿病では結腸癌、肝がん、膵がん、乳がん、子宮内膜がん、膀胱がんのリスクが増加する。血糖コントロールが急激に悪化したり体重が急に減少した場合、原因が悪性腫瘍である可能性があり、腹部エコー、胸腹部CT、便潜血検査が必要で、普段からがん検診を受けておくことも重要である。

 

 

著者:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

 

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