糖尿病の運動療法

糖尿病の運動療法(運動のタイミングについて)

 

 

運動はどのタイミングで行えばよいのでしょうか?

 

糖尿病の運動療法において、急性効果と慢性効果があります。歩行などの運動

 

時、筋肉を動かすためのエネルギーとして糖分が必要になります。そのため

 

血中の糖分が消費され血糖値が低下し急性効果が現れます。また、一定時間の

 

有酸素運動で脂肪の分解が起こります。

 

運動を続けることによって体重の減少、筋肉量の維持・増加が起こり、

 

インスリン抵抗性が改善し(インスリンが効きやすくなり血糖が下がる

 

こと)、心肺機能が強くなり、その他血圧や脂質も改善するような

 

慢性効果が出現します。

 

食事をすると血糖値が上昇し、糖尿病の場合1~2時間後に

 

ピークに達することが多いので運動のタイミングとしては、食事後

 

1~2時間を狙って開始するのがよいと考えられます。

 

食事・運動療法のみでの糖尿病治療においては食前の運動

 

でもかまいませんが、薬物療法中の場合(特にインスリン注射や

 

SU剤を内服中の場合)、食前に行うと低血糖が出現する

 

可能性があるので注意しましょう。

 

運動中は、血糖値が下がっているのだな、脂肪も燃えている、とイメージ

 

しながら体を動かしましょう!

 

 

 

 

監修:上野尚彦 (上野内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
日本内科学会認定 総合内科専門医
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 非常勤講師
日本糖尿病学会 近畿支部評議員

1988年に島根医科大学を卒業後、神戸大学医学部第二内科に入局。神戸大学大学院医学研究科博士号を取得。米国フロリダ大学医学部  博士研究員、神戸海岸病院内科部長などを経て、上野内科・糖尿病クリニックを開院。

 

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